目次
第1章 これからの在庫管理に必要な基礎知識
1 そもそも在庫管理とは何だろう?
多くの企業に共通する在庫のジレンマ
とにかく在庫を高回転させることが急務
2 在庫管理の目的を社内で共有しよう
在庫のメリット・デメリットを確認する
まず経営者が認識を新たにすることが先決
3 顧客ニーズを満たす条件、「5適」とは?
適品:顧客がほしい商品を用意しておくこと
適量:顧客がほしがる量を用意しておくこと
適所:顧客がほしがる場所で、希望の方法で納品できること
適価:きちんと利益が出る価格で提供できること
適時:顧客がほしいそのときに納品できること
在庫管理の担当者に、自社の状況を把握させよう
4 顧客ニーズと在庫効率を両立する方法
商売が大きくなるにつれ、在庫拠点が散在し始める
在庫拠点が増えることで生じる「3大ムダ」
分散する在庫を統合管理して、相反両立を目指す
5 スムーズな物流活動が、在庫管理のカギになる
物流活動の3つの要素
標準的な出荷活動の流れ
標準的な入荷活動の流れ
6 時代の要請で高度化する物流活動
物流面の変化は、在庫管理に強く影響する
物流→ロジスティクス→SCMの流れで現在に至る
7 顧客ニーズの多様化に応えた「ロジスティクス」
部門間のコミュニケーションが不可欠に
他部門との連携による、在庫管理の効率化
在庫情報の統合管理が必須
8 取引企業との連携で競争力をつける「SCM」
SCM(サプライチェーンマネジメント)とは何か?
迅速な在庫供給と資金回収が可能になる仕組み
9 川下企業(小売業者)に求められる在庫管理
在庫量を抑えて、陳列スペースを広く取るのが鉄則
「多頻度・少量」発注に応えてもらえる関係をつくろう
単品別に、商品の売れ筋・死に筋を見極めることが必要
10 中間企業(卸売業者)に求められる在庫管理
川上と川下をつなぐ4つの機能
情報システムへの投資が欠かせない
11 川上企業(製造業者)に求められる在庫管理
製造業者には、「素材」「部品」「組み立て」の3種類がある
自社の分野ごとに適した取り組みが求められる
12 在庫は、財務諸表のどこに計上されているか?
貸借対照表の「棚卸資産」で、在庫金額が把握できる
計上されている棚卸資産は、現段階では売れ残り
損益計算書の「売上原価」で、在庫の動きがわかる
13 「売上拡大」と「利益獲得」を常に念頭に置く
在庫リスト作成や在庫分析は手段にすぎない
リピートオーダーの確保が当面の目標になる
14 在庫回転の指標「ROA]とは?
在庫が高回転すると、総資本利益率(ROA)が向上する
第2章 顧客満足を高める在庫管理の流れ
1 在庫管理の質で顧客満足が決まる
商品供給の不備が、顧客離れにつながる
顧客満足度(CS)とは何か?
顧客満足度を判断する基準をつくろう
2 在庫管理には、「現品管理」と「在庫マネージメント」が必要
目的が異なる、2種類の在庫管理業務
目的が変われば、在庫量の判断基準も変わる
3 顧客視点に立って問題点を明確にする
スポーツ用品の製造・販売を行うA社の場合
悪化する流通環境で、浮き彫りになった問題点
4 流通ルートの見直しで効率を上げる
利益確保のための4つの課題
在庫拠点2ヵ所化実現の最重要ポイントとは?
5 出荷までの作業手順を確認する
A社の「受注から納品まで」の業務フロー
物流センターにおける出荷作業の優先度決め
物流センターにおける出荷作業準備
6 在庫不一致が起きるポイントはここだ!
物流センターにおける作業ミスの種類
人的ミスを誘発する受注の「波動」
在庫不一致を起こす「出庫ミス」と「出荷ミス」
CS満足と、波動最小化の矛盾をどうするか
第3章 現場効率がアップする棚卸実務の手順
1 棚卸は4つの点から定義される
業務の品質と生産性アップのため、周知徹底は必須
具体的に何をするかの実践ポイント
2 棚卸の前のチェックリスト作成
前回の棚卸を振り返り、改善点を確認する
3 関係部門への日時連絡で伝えるべきこととは?
仕事の調整に必要な情報を網羅する
4 まず、棚卸の全体像を把握しよう
部門間で役割の分担はどうなっている?
棚卸対象品は、どのような状態で保管されているか
5 「整理」「整頓」「清掃」を事前に済ませておく
求められる3Sのレベルとは?
通常業務で事故を起こさない心がけも大事
6 棚卸票とは何だろう?
棚卸の結果を記録する用紙のこと
棚卸票には何を書くのか
7 棚卸ミスを起こさないための対策
単位の記録に注意する
カウントミスに注意する
棚卸票に記入する際のミスに注意する
棚卸票の配布と回収時のチェック表の準備
8 正確な棚卸のための2つの方式
棚卸品目の事前コンピュータープリント方式
ハンディー端末のバーコードスキャン方式
9 カウント終了後の監査人のチェック
「立会い」は何のために行われるのか
立会い計画の立て方
立会人が行う立会業務とは?
報告書を作成して、保管現場の改善に活かそう
10 現品再確認による差異調査
まず棚卸差異表で差異をチェックする
「ロケーション順」と「棚卸対象品目順」
保管現場での差異ミスを一覧表にまとめる
11 帳簿照合による差異調査
帳簿の明細履歴をチェックする
①入荷履歴の差異調査
②出荷履歴の差異調査
棚卸結果の差異は、在庫調整として記録する
12 棚卸差異の許容範囲の目安
ミスは発生して当たり前と考えていい
13 棚卸差異調査記録を残す3つの理由
一覧表にまとめると今後の作業に便利
14 棚卸資産の棚卸評価額を算出する
売上原価を算定するための「棚卸資産額」の算出式
原価法による棚卸評価額の算出種類
原価法による、棚卸評価額の算出方法
15 今回の棚卸の記録を次回に活かす
次回の棚卸業務に役立つデータを蓄積する
棚卸作業の基準となる時間の目安
棚卸の反省テーマと今後の改善
第4章 在庫高回転化は在庫実態分析から
1 在庫の高回転化をめざす意義
在庫マネージメントで出荷スピードを管理する
2 品揃えサービスには2通りある
「在庫品」と「受注生産品」の違い
品揃えサービスで、社内業務が効率化する
3 ちょっとした意識の差で顧客満足度が向上する
高いクレーム率のため取引中止勧告を受けた事例
クレーム発生の問題点を洗い出すことに着手
在庫軽視は、企業の取組姿勢に原因あり
4 在庫消化率を組み込んだ営業担当の評価
「売れなかった在庫」の責任を明確にする
「売上>在庫」を徹底するルールづくり
在庫高回転に報償を出す計算方法
在庫低回転にペナルティを課す計算方法
5 在庫分析に必要な4つの情報
在庫高回転化の基本データは4種類
①商品マスター情報
②在庫マスター情報
③売上トランザクション情報
④仕入トランザクション情報
6 単品別ABC分析を重視する理由
ABC分析に必要なのは、地道なデータ蓄積
ABC分析に必要とされるデータとは?
7 ABC分析の計算概要
ABC分析には、この23項目のデータが必須となる
ABC分析の具体的な計算方法
8 単品別ABC分析の事例
単品ごとの在庫実態を押さえよう
なぜ在庫回転基準を満たせないのか?
9 品種別ABC分析の事例
品種ごとの在庫実態分析をする理由
10 会社ABC分析の事例
出荷ゼロ単品を見える化しよう
11 「パレート図」をつくろう
パレート図は在庫状況を視覚化し、わかりやすくする
「2:8の原則」は在庫数量の世界では通用しない
12 パレート図は、出荷の二極化をあらわにする
会社ABC分析のパレート図の二極化
品種別ABC分析のパレート図の二極化
13 パレート図でわかる出荷グループ特性のまとめ
ランク付けで改善点を見極めよう
A-1ランク ・・・出荷頻度のもっとも高い商品グループ
A-2ランク ・・・出荷頻度が2番目に高い商品グループ
Bランク ・・・出荷下位10%の商品グループ
Cランク ・・・出荷最下位10%の商品グループ
Dランク ・・・出荷ゼロで在庫ばかりあるグループ
14 実際にパレート図をつくってみよう
社内研修で実務能力をつける
第5章 在庫高回転化の基礎となる4手法
1 過剰在庫の見極めと処置方法
在庫高回転化の具体的な4つの方法
「過剰在庫」の判断基準とは?
過剰在庫処置の6つの種類
2 調達リードタイムの実態をつかむ方法
調達リードタイムを短縮するメリット
納期遅延を見える化する方法
3 調達リードタイムを厳守してもらう方法
明確でムリのないルールを再設定する
直接仕入先を訪問し、業務実態を知っておく
4 受注生産品と取り寄せ品で在庫を減らす方法
「納期回答」が最大のカギになる
5 交叉比率の分析で経営効率を向上する方法
「交叉比率」とは何だろう?
交叉比率の標準値を満たせない3つのパターン
交叉比率の基本的な計算と評価例
交叉比率計算の応用
第6章 不動在庫を作らないための補充型発注システム
1 在庫を高回転化するための発注方法
これまでのやり方は通用しない
取引実績をグラフにして、今後の予測を立てる
2 発注システムは4パターンある
需要に応じて、適切なやり方を選択する
<A>個別一品受注生産型の発注システム
<B>リスク負担型の発注システム
<C>判断の必要な補充型発注システム
<D>単純な補充型発注システム
3 「定量発注方式」と「定期発注方式」とは
適正な発注量とタイミングを守る基本的な方法
在庫適正化を実現するのに必要な検討テーマ
4 発注判断に必要な基礎データ
これで、発注担当者の判断がラクになる!
「①在庫」の”過去・現在・未来”のデータ
「②出荷実績」のデータ
「③出荷予測」のデータ
「④入荷」のデータ
「⑤欠品」のデータ
5 適正在庫を維持するためのやさしい発注システム
時系列データこそが、在庫適正化のカギ
9つの数値で、次に打つ手が見えてくる
6 時系列データをグラフ化してみる
「見える化」で、在庫実態の問題点が浮き彫りに!
情報システム化で、だれでも簡単に成果が出せる
7 適正発注数量の計算に必要なデータとは?
時系列データを活用して発注数を算出する
この15のデータで投資を高速回収する
★ここで一服◎予測するということ
8 適正発注数計算の前提条件とは?
最初にこれだけの事前準備をし整えよう
9 適正発注数の具体的な計算方法
第1ステップ
第2ステップ
第3ステップ
第4ステップ
多品種少量化時代に対応可能!
第7章 個別一品受注に対する特注品発注システム
1 「特注品」とは何か?
個別一品受注生産の位置づけ
特注業務のあるべき姿
2 特注業務を改善しよう
特注品は、高コストの原因になりやすい
3 特注品の在庫を定量分析しよう
望ましい特注業務の目標設定
特注業務の実態を把握する
4 特注品を受注する際の5つの問題点
「標準品ではない」ことを確認することから始まる
特注業務で注意すべき定性的問題
5 特注業務の改善課題(1)不都合点の見える化
特注業務の5つの改善課題
顧客別特注案件の在庫データ分析事例
交叉比率を計算する
顧客別在庫問題発生の定性的分析事例
6 特注業務の改善課題(2)特注業務の調達条件整備
特注の「受注から調達開始まで」の業務手順概要
特注用の仕入先情報収集ステップ(RFI)
特注用の調達依頼要望ステップ(RFP)
特注の正式見積要望ステップ(RFQ)
7 特注業務の改善課題(3)納期回答の入手と顧客への伝達
仕入先の納期遅延実態
納期回答の強化策
一時納期回答率の向上策の注意ポイント
8 特注業務の改善課題(4)仕入先訪問の促進
仕入先とのコミュニケーション促進の目的
仕入先訪問のポイント
事前に「訪問お願いリスト」を提示する
問題が発生しそうなときの訪問の手順
仕入先訪問で得られる成果
9 特注業務の改善課題(5)特注品の不回転在庫の処置
「不回転在庫」とは何か?
在庫の流動性が落ちてきたときの対処
特注品の過去の在庫状況から予想する方法
特注品の将来の在庫数を予測する方法
商品別在庫計画チェック表の活用方法
不回転在庫の取り扱いを、社内で制度化する